一升餅の由来は?何のためにやるの?
「一升餅」とは、餅米一升(1800g)で出来た丸型の祝い餅。
1歳の誕生日に、この一升餅をかつがせる風習は日本各地に伝わる伝統行事です。
なぜこのような伝統が生まれたのでしょうか。
今回は一升餅の由来や、お祝い方法について詳しく解説します。
一升餅という行事
米作文化の日本人にとって、お餅は特別な意味を持つ食べ物。
昔から出産・誕生・祭り・正月・五節句などのハレの日には必ずお餅をついてお祝いしてきました。
赤ちゃんが1歳になるまで無事育つことが難しかった時代、「1歳の誕生日」には特別な意味がありました。
一升餅の「一升(いっしょう)」には、「一生(いっしょう)」の意味が掛けられており、おめでたいお餅と合わせることで「一生食べ物に困らないように」「一生、健康でありますように」といった願いが込められています。
また、一升餅の丸く平たい形には「一生、円満に過ごせるように」という意味合いも。
地域ごとの呼び名
地域によっては「誕生餅」「餅背負い」「力餅」などとも呼ばれています。
また餅をかつぐのではなく、草履をはかせて餅の上に立たせる地域では「餅踏み」「踏み餅」などとも呼ばれています。
一般的なお祝いの方法と準備
餅を風呂敷に包んで、赤ちゃんに斜めがけにして背負わせるのが一般的なお祝い方法。
斜めがけに背負わせるのは、お餅の重みでお子さまの首が締まらないようにするためです。 必ず片方の肩から反対の脇下へ斜めがけにして背負わせて下さいね。
最近では風呂敷の代わりに、背負いやすいリュックで行う方も増えています。 リュックだと、儀式の後も普段使い出来て便利!
昔ながらの伝統的なスタイル「風呂敷」か、背負いやすさを重視して「リュック」にするか。 どちらを選んでも問題ないのでご家庭のスタイルに合わせてお好きな方法をとってくださいね。
一升餅は、かつげてもかつげなくてもおめでたい
一升のお米がお餅になると重さは約2kg!
1歳の赤ちゃんが背負うには、なかなか大変な重量です。
でも安心してください。
一升餅はかつげてもかつげなくても、どちらでもおめでたいとされています。
● かつげたなら身を立てることができる
● かつげなかったら親元に長くいる
● 転んだら厄落としになる
と、どのようになっても良い意味に取られます。
近年、背負いやすく後で分けやすいよう小さいお餅を小分けにしたタイプや、お米を代用した「一升米」パンで行う「一升パン」など一升餅もさまざまに変化しています。
どれが良いということはないので、好きな形で赤ちゃんの健やかな成長と願い、お祝いしてくださいね。