なんでおめでたい時はお餅を食べるの?

1歳のお誕生日で定番の一升餅。
日本人にはおなじみのお餅ですが、もともとは行事などで食べられる貴重なものでした。
今回はなぜおめでたい時に食べるようになったのか、また「餅」という言葉の語源を紹介します。
地域ごとの祝い方
餅は稲作の伝来とともに東南アジアから伝わったといわれています。
いつ頃から日本で食べられ始めたかはよくわかっていないそうです。
「餅」という字が初めて記録に出てきたのは奈良時代のこと。
国の産物や伝説をまとめた「風土記」には「大昔、豊後国(今の大分県)に白い鳥が飛んできて『餅』になり、それから豊後が豊かな国になった」と記されています。
また、「養老令」という国の法律を定めた書物の中には、国政に携わる仕事のひとつに菓子を作る係り「主菓餅(くだもののつかさ)」という名称があるそうです。
平安時代に入ると年間の行事が決まりはじめ、餅は各行事のお祝いの食べ物として天皇や貴族の間で食べられるようになりました。
現代もお祝いの席でお餅が食べられたり配られたりするのは、この名残と考えられています。
普通の人たちが餅を食べるようになったのは江戸時代中期頃。
田んぼが増え、米作りの技術が上がり、たくさん米が取れるようになってから庶民も食べるようになったと言われています。
「餅」とよばれるようになった理由
「餅」という言葉の語源にも所説あります。
その1:「望月」から由来しているという説
望月(もちづき)とは満月のこと。
満月のような円の形は円満の象徴と考えられていました。
太陽や月を尊祟し、祭りなどのたびに太陽や月になぞらえて餅の形を円にしたとも言われています。
望月からとって「もち」と発音したりするようになったのではないかという説があります。
その2:中国・台湾語「モアチイ」語源説
中国の福建省や江南地方や台湾では餅のことを「モアチイ」と発音します。
餅が日本に渡来する際、「モアチイがモチに転化した」という説があります。
その3:「持ち歩くご飯」説
餅は小さくて腐りにくいので昔は弁当としても重宝されていました。
「持ち歩くご飯」という意味で「もち」と呼ばれるようになったという説があります。